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GOTH

―この世には殺す人間と殺される人間がいる。自分は前者だ。そう自覚する少年「僕」。殺人鬼の足跡を辿り、その心に想像を巡らせるの本性を隠し、教室に潜んでいた「僕」だったが・・・―(文庫本より抜粋)

いやいや、面白かった。猟奇殺人をテーマにしたそのストーリーもさることながら、感情の起伏というものが一切無い独特の文体に、最初慣れないうちは心臓を直接針で突かれているような痛い刺激を受けた。それが次第に快感になってくるあの感じ。いいねぇ。ミステリー要素もあり、先を読もうとするのだがことごとく裏切られ、その度にチクショウと思いつつ何故か顔がほころんでしまう(どうやら作者の乙一さんはその要素をかなり意識して書かれたらしい)。久々に鼻息の荒くなる一冊でした。
ひとつ不思議なのは、ものすごく楽しめてワールドにどっぷりはまったにも関わらず、すごく楽しめた映画とか小説が終わったあとにはいつも必ず訪れるはずの「主人公たちと逢えなくなる悲しみ」が今回は無かった。それがチト残念か。なんでだろ

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 夜の章 (角川文庫)

GOTH 僕の章 (角川文庫)

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